【名久井 悠佳さんのプロフィール】
部活動でのトラブルが原因で中学時代に不登校に。児童心理学を学んでフリースクールの発信したいと考えるようになり、その熱が冷める前に今から各都道府県のフリースクールを訪問する活動をスタート。活動費用は祖父が出している。Instagramで訪問したフリースクールを発信中。現在、通信制高校に在籍する高校1年生。東京都在住。

悠佳さんのことはInstagramで知り、日本全国のフリースクールを訪問する活動を行っていることに驚き、すぐに取材依頼させて頂きました。
悠佳さんのことをもっと深ぼるために、今回はヤフーニュースの記事をもとにインタビューを行います。ヤフーニュースの記事も併せて読むことにより、より記事を楽しめるかと思います。
⸻訪問するフリースクールの選び方について教えてください。
インターネットやフリースクールを紹介している書籍を読んで調べ、その中から気になったフリースクールのホームページを一通り読み、訪問先を決めています。自分自身の経験から活動をはじめたということもあり、私の好きな少し変わった取り組みをしているフリースクールを選ぶことが多いです。
その中でも、大手のフリースクールだと皆さん知っているので、少人数制のアットホームなフリースクールを選び、電話でアポイントを取っています。
⸻電話でアポイントを取っているということですが、すぐに活動内容を理解されるものなのでしょうか?
やはり活動内容を説明しても、理解されないことや冷たい対応を取られることもあります。中には保護者だと勘違いされてしまい、驚かれたこともありました(笑)まだまだ試行錯誤している段階ですが、徐々に言葉の選び方なども工夫していくようになりました。
⸻各都道府県のフリースクールを訪問されていることで遠方に行くこともありますが、すべて1人で訪問されているのですか?
すべて1人で訪問しており、遠方の場合は宿泊する場合もあります。近隣の都道府県にあるフリースクールもまとめて訪問したい気持ちはありますが、土地勘がないのでスケジュール調整するのが難しく、現在は単発で訪問している形です。
⸻これまで訪問したフリースクールの中で、特に印象に残っている場所を教えてください。
茨城県那珂市にある「自由の学校」です。森の中に教室があるという印象で、校長先生も一緒に遊ぶなどフラットな感じで、とても良いなと思いました。
⸻ヤフーニュースの記事では、不登校という言葉をなくしたいといった表現をされていましたが、存在自体が一般的になっても言葉自体はなくならないのではと考えています。それについては、どうお考えですか?
私は不登校という言葉をなくすというよりも、言葉にある悪いイメージを変えたいと思っています。イメージの悪さを変えたいといっても、皆さんには伝わりにくいと思うので「不登校という言葉をなくしたい。」という表現をしています。
現在の不登校という言葉には、グレている、親の育て方が悪いなどのマイナスなイメージがあり、そういった批判がされることも多々あります。私は言葉につく悪いイメージこそが不登校の子どもたちを苦しめているのではないかと考えているので、マイナスなイメージを払拭していきたいです。
⸻不登校から他の言葉に変えようという意見も見かけますが、これについてはどうお考えですか?
他に良い言葉があれば変更したいとは思いますが、現時点では思い浮かびません。言葉を変えるということに固着しすぎず、本来の目的を見失わないようにしたいと思っています。
⸻ヤフーニュースの記事では、ご家族も応援されている様子も記載されていましたが、最初から反対などはなかったのでしょうか?
父からは「高校生は勉強するのがお仕事だよ。」と言われたのですが、母からは「熱意を保てる時期が人より短いと思うから、熱意があるうちに行っておかないと駄目じゃないの?」と背中を押してもらいました。ただ1人で行くという点に関しては、最初は「連絡してよ。」などと心配されていました。
自宅のある東京から近い神奈川や埼玉からスタートして慣れていき、新幹線で遠方のフリースクールも訪問するようになりました。東京のフリースクールは多いこともあり訪問先を決められていませんが、自宅から近いので、最後の方でも良いかなと思っています。
⸻訪問するフリースクールの中にはアクセスしづらい場所もあるかと思いますが、フリースクールのアクセスで苦労したことはありますか?
フリースクールの付近に公共交通機関が整っていない場所もあり、駅からタクシーを使わざるを得ないこともあります。タクシーの運転手さんでも知らないフリースクールで、2人で試行錯誤しながらやっと訪問できました。
名古屋などの公共交通機関が整っている場所でも、新幹線から地下鉄の乗り換えで戸惑ってしまい、乗り換えの所要時間が20分ほど掛かってしまったこともあります。
⸻フリースクールを訪問するタイミングについて教えてください。
できれば代表の方と話してみたいと考えており、またフリースクールに通う子どもたちは知らない高校生が話しかけてきたら困惑させてしまうのが嫌なので、できるだけ活動していない時間をお願いしています。
⸻フリースクールを訪問すると聞くと緊張するイメージが有るのですが、緊張しませんか?
訪問する上で緊張したことはなく、自分の視野が広がることに対してワクワクする気持ちが強いです。普段から緊張しないタイプであることも関係するかなと思います。
⸻将来は児童心理学を学びたいとのことですが、学びたいと思ったきっかけを教えてください。
不登校だった時に、自分でも原因が分からない悲しみやイライラする気持ちがあり、とても辛かったです。児童心理学を学ぶことにより、この理由を明らかになるのではと思い、児童心理学が学べる大学に行きたいと思うようになりました。
⸻もし一般選抜で大学受験をするのであれば活動する時間が限られているかと思いますが、このあたりはどうお考えですか?
私は高レベルの大学を受験する予定なので、この活動も高校2年生までに終えたいと考えています。総合型選抜での受験も考えましたが、私は楽する道を先に与えてしまうと頑張れなくなるタイプですし、総合型選抜がない大学もあるため、一般選抜で受験しようと決めました。
⸻となるとタイムリミットは約1年ですが、全都道府県のフリースクールを訪問し終える目処は経っているのでしょうか?
「できれば1ヶ月に8箇所ぐらい訪問しないと間に合わないよね。」と家族で話し合っており、通信制高校の勉強や大学受験対策などと両立しながら、ハードに突き詰めていきたいと思っています。
⸻これからの発信方法について考えていることを教えてください。
現在、インスタグラムで訪問したフリースクールについて発信しています。それ以外にも普段から感じていることなどをブログにて紹介していますが、Twitterなどの他SNSでは発信していません。
より多くの方に知ってもらうために幅広く発信していきたいのですが、器用な性格ではなくて中途半端になってしまいがちなので、現時点では着手できていません。猫の手も借りたいです(笑)
⸻不登校について興味関心がある印象ですが、将来的にはどのような活動がしたいと考えていますか?
これまでの経験を通して、不登校の子どもと直接関わりたい気持ちはありますが、落ち込んでいるのに急に明るい活動をしている私が「話しましょう。」と声を掛けるのは良くないのではと思っています。なので、こういう生き方もあるというロールモデルになっていきたいと考えています。
⸻最後に、記事を読んでくださった方へのメッセージをお願いします。
私の活動を様々な方に知って頂きたいので、記事などを宣伝して頂けますと幸いです。現時点では訪問する全てのフリースクールが決まっていないため、フリースクールに関する情報をご存知のかたは、インスタグラムのDMで教えて頂きたいです。
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